私と近沢レース店 Vol.008「プレゼントは感謝を表すひとつのかたちだと思っています」——バスケットボールプレイヤー 有明葵衣様
- 私と近沢レース店
- 2023.12.01.
みなさま、こんにちは。オンラインショップスタッフのひとみです。
前回公開いたしましたお客様インタビューでは、多くのご反響を頂戴し、ありがとうございました。まだご覧になっていらっしゃらない方は、宜しければご覧くださいませ。
本日は、近沢レース店をご利用くださっているお客様へ、貴重なお時間を頂戴しインタビューさせていただきました。思い入れのあるアイテムや、レースとのエピソードなど、伺ってまいりましたのでぜひご覧くださいませ。
——いつもご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。改めまして、自己紹介をお願いいたします。
はじめまして。有明 葵衣(ありあけ あおい)と申します。IT企業にて会社員として働きながら、3×3(3人制)バスケットボールプレイヤーとして活動しておりました。実は11月の大会で、選手としての活動は一区切りいたしました。
「スポーツ」と「レース」って、イメージがかけ離れているのではと心配もしましたが(笑)。ちょうど節目のタイミングでこのような機会をいただきましてどうもありがとうございます。
——有明さまがバスケットと出会われたきっかけを教えてください。
5歳上の兄の影響で、小学4年の時にバスケをはじめました。県内でいちばんの強豪高校に進学し、とことんバスケ漬けの生活でした。当時、女子バスケは高校卒業後にトップリーグ(Wリーグ)に進む選手が多かったのですが、私は「選手生活を終えたら教員になりたい」という夢がありましたので、大学進学を選択しました。
大学時代にいくつかのWリーグのチームとの練習試合に参加させていただく中、運良くいまの会社にお声がけ頂き、富士通レッドウェーブ(5人制バスケ)で6年間プレーいたしました。一度現役を退いた後、3×3(3人制)バスケ選手として現役復帰しています。もともとは、バスケを引退したら、社会人経験を積んでから教員になりたいと思っていましたが、いまは会社に残る道を選択して良かったなと思っています。
——教員という夢から、いまのかたちになるまでの想いを聞かせてください。
私はずっと、「教育に携わりたい」という気持ちと、「自分にしか出来ないことをしたい」という気持ちがありました。富士通レッドウェーブ引退後、NPO法人Shape the Dreamの活動を通じて学生アスリート向けのキャリア教育の活動をさせていただき、その中で、「教員だけが教育の場ではない」と思えたのがきっかけですね。
2021年からWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)の理事を担っているのですが、理事を経験することによって、日本の女子バスケ界を盛り上げていきたいという気持ちも、より強くなっていきました。
女子バスケは20代で引退するケースが多く、その多くはバスケットのみの道を歩んできたキャリアへの不安も大きな要因となっています。私はありがたいことに選手を引退した後も会社に残らせていただける選択肢がありましたが、アスリートの価値は「スポーツ界はもちろん、スポーツ以外の場所でも活躍できるかどうか」だと思っていて、私自身もそのキャリアのロールモデルになれたらという思いもあります。
——働く女性も増え、ライフステージの変化を感じる方も多いと思います。有明さまの場合はいかがでしょうか。
今シーズン限りで選手としての活動を一区切りにしようと思ったのは、私自身もライフステージを考えた結果です。チームメンバーの中で最年長ですが、いまがいちばん上達できているという手応えがあったので、とても迷いました。
ですが、若手の出場の機会も大切にしてあげたいという気持ちも大きくなり。さらに女子バスケ界を盛り上げていくためには、チームのコーチやアドバイザーとしての活動、女子バスケの魅力を伝えられる解説など、他にも普及できる手段を見つけられたので、次のステージでもステップアップしていきたいと思えるようになりました。
——有明さまと、レースのエピソードを教えてください。
私の実家は老舗の和菓子屋で、祖母が店頭に立っていたのですが、いつも綺麗にしていて、メイクにも時間をかける女性でした。お茶や、お食事、イベントごとなど出かける際にはレースのものを身に着けていましたね。
幼い頃は、可愛らしいレースを持たされるのが照れくさくて、恥ずかしかったのですが、年齢を重ねていくにしたがって私自身もレースを身に着ける機会が増えてきました。
思い返すと、祖母や母が使っていたから、私もレースを手に取るようになったのかもしれません。バスケという戦いのフィールドから離れて、きちんとした女性像を思い描いた時に、レースを持っていれば大丈夫という安心感もあるんですよね。
バスケットボール選手としては「かっこいい自分でありたい」と思っていますが、「ひとりの女性として輝ける自分になりたい」と思った時、レースは私を素敵な女性に見せてくれるツールになっていると思います。
——おばあさまや、おかあさまの想いが受け継がれていて、素敵です。
ありがとうございます。祖母や母は、贈り物などもすごく大切にするタイプでした。「あの時にいただいたもの」というエピソードと一緒に、大切に使っていました。母から、近沢レース店のアイテムを譲り受けたこともあります。
私も祖母や母の影響からか、仲間の誕生日や、結婚祝い、出産祝いなど、人生の節目にプレゼントするのが好きなのです。何より、現在の自分自身がいるのは、まわりの方々に恵まれ、助けていただいたおかげだと思っていますので、プレゼントは感謝を表すひとつのかたちですね。いただいたものも、私を想って選んでくれたものなので、大切に使っています。私は結構、物持ちがいいタイプですよ(笑)。
——バスケットボールプレーヤーとして、節目を迎えられた有明さま。今後のビジョンをお聞かせください。
「やっぱりバスケが好きだなあ!」と、改めて感じています。 選手としては一旦区切りと思っていますが、いつまでもバスケットボールには携わっていきたいですね。それが再び選手という立場かもしれませんし、異なる形かもしれません。いずれにしても、自分なりの楽しさや幸せを見出しながら、貢献していきたいと考えています。
女子バスケひとつとっても、様々なライフステージを経て現役選手として戻ったり、3×3バスケからWリーグを目指す形だったり…もっと自由で多種多様な競技への関り方があって良いと思っています。また、バスケ選手として経験したことは社会にとって価値のあることだということを証明していけたらとも思っています。
女子バスケは、東京オリンピックでの銀メダル獲得により、多くの方々に注目していただけるようになりました。今後も成長を楽しみながら、バスケットボールの魅力や価値を私なりの形で表現し、可能な限り日本のバスケ界を盛り上げていけたらと思っています
——どうもありがとうございました。これからも、ますますのご活躍を陰ながら応援しております。
プロフィール
有明 葵衣(ありあけ あおい)
1986年5月21日生まれ。
秋田県大仙市出身。バスケットボール選手。
富士通株式会社所属
3×3(3人制バスケットボール)TOKYO BB所属
一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ理事
NPO法人Shape the Dream副代表理事
仕事と競技、複数の草鞋を履くOLボーラーとして活動。
Wリーグ理事としては、Wリーグの新たなステートメント構築に携わり、人材創出の企画や、リーグ試合の解説業も務める。
5人制バスケットボール
秋田経済法科大学附属高校 U-18日本代表
筑波大学卒業 国体優勝 / U-22日本代表
2009-2014 富士通レッドウェーブ(WJBL) Wリーグ2位 / 皇后杯準優勝
3人制バスケットボール(3×3)
2018年3×3.EXE PREMIER優勝/初代得点王
その他、3×3.EXE PREMIER Round優勝とMVP、JAPAN TOUR レギュラーラウンド優勝、日本選手権やJAPAN TOUR FINAL準優勝などの成績を残す。