私と近沢レース店 Vol.007「宝塚のあたたかい絆に助けて頂きながら、これからも新しい世界に挑戦していきたいと思っています」——元宝塚歌劇団 晴音アキ様

みなさま、こんにちは。オンラインショップスタッフのひとみです。

前回公開いたしましたお客様インタビューでは、多くのご反響を頂戴し、ありがとうございました。まだご覧になっていらっしゃらない方は、宜しければご覧くださいませ。

本日は、元町本店をご利用くださっているお客様へ、貴重なお時間を頂戴しインタビューさせていただきました。近沢レース店を知ってくださったきっかけは?思い入れのあるアイテムなど、伺ってまいりましたのでぜひご覧くださいませ。

はるの

——いつもご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。改めまして、自己紹介をお願いいたします。

はじめまして。晴音 アキ(はるね あき)と申します。昨年2022年まで、宝塚歌劇団に在籍しており、月組の娘役として活動しておりました。現在は舞台や、コンサートに挑戦させていただいております。

近沢レース店のアイテムは、よくお茶会などでファンの方からいただくことがありました。これまではお休みの日でも身体のメンテナンスなどに忙しく、一時間おきにスケジュールを組むような生活でしたので、最近はお買い物を楽しむ時間も増えてきて嬉しいです。

宝塚とのコラボハンカチもありますよね。思わず劇場で探しましたよ!(笑)組カラーに加え、専科さんカラーまであるなんて、さすがだなと思っていました。レースも組のモチーフが入っていて、本当に可愛いです。

宝塚コラボハンカチ
宝塚歌劇の象徴である5組「花・月・雪・星・宙」をレースで表現。

——晴音さまにそう言っていただけて嬉しいです。タカラジェンヌを目指されたきっかけを教えてください。

むかしから宝塚ファンであった母に連れられ、はじめて観劇したのは中学3年生の時でした。当時の私は剣道部に所属するスポーツ少女で、火曜日の部活動のあとにフラフラで観に行ったのを覚えています。

疲れすぎて、眠ってしまうかもという状態で観劇したのに、第一幕が終わるころには胸が高鳴って、すっかり宝塚の虜になってしまいました。雷に打たれたような衝撃というのは、きっとこのことを言うのでしょうね。

帰りの道中で「タカラジェンヌになりたい!」と母に伝え、それを応援してくれた母にも感謝しています。

クラッシー
晴音さまお気に入りのクラッシーメッシュ小物。「可愛くて頑丈で、いっぱい入ってとっても使いやすいです」

——晴音さまが、剣道部だったなんて驚きです!

ある日突然、自分でも驚くほど「宝塚」という世界に魅了されてしまいました。でも中学生のころの私は、友人のイメージ通りの自分ではなくなることが少し照れくさくて。すぐには剣道部の同期たちにも言えなかったのです。

「剣道も好き、でも夢を追いかけてみたい」という気持ちがどんどんと大きくなり、「挑戦したいことがあります」と言って、剣道部を退部しました。その時は理由も言えなかったのに、やさしく背中を押してくれた友人たちのおかげで、夢を叶えることが出来ました。

はじめて観劇したのは月組の「飛鳥夕映え/タカラヅカ絢爛II」だったのですが、その月組に配属していただけただなんて、運命を感じずにはいられません。

卒業ブーケ
「月組カラーのミモザのハンカチは、卒業のときの大切なブーケを思い出します」

——むかしからレースはお好きでしたか?

私は宝塚に入ってからレースが好きになりました。はじめは男役に興味があって、リーゼント受験もしたのですけれど(笑)娘役にご縁をいただけて、日頃から品のある装いや、所作を研究するようになってレースが一気に身近になりました。

娘役の稽古着には「お稽古スカート」というものがあって、衣装に近いロングのサテン地のスカートを着用します。ひとによってサイズや好みが異なるので、ファンの方が作ってくださったり、自分でデザインすることが楽しかったですね。

お稽古スカート
「卒業してもこのお気に入りの一着はずっと手元にあります」

それと、2000年くらいに「森ガール」が流行りましたよね!ふわっとしたデザインや、やさしい色にすっかりはまってしまって、当時はレースのお洋服や小物ばかり集めていました。

いまも変わらずレースが大好きです。最近はモノトーンのお洋服も多いですが、小物には好きなものを持ち歩きたくて、レースや、大好きなドラえもんを選んでしまいます。最近ドラえもんハンカチが発売されたと聞いて、ちょうど欲しくてたまらないところです(笑)

ドラえもん
晴音さまがチェックしてくださった「アイムドラえもん」ハンカチ。

——「お稽古スカート」というものがあるのですね。ご購入されるのではなく、オーダーするものだったとは、知りませんでした。

はい。そのころから生地を選んだり、レースを選ぶことに夢中で、手芸屋さんやウィッグ屋さんに行くと、レースばかり見てしまいます。ドレスに合わせてレースのチョーカーを作ったり、髪飾りも自分でデザインしたこともありますよ。

チョーカー
ファンミーティングライブの際にご自身で作られたハンドメイドアクセサリー。

近沢レース店のレースはいつもいろいろな形が素晴らしくて、どうやって出来ているのかしら!?と隅々まで眺めてしまうほどです。

最近のお気に入りは「ラインダンス」のハンカチ。レースの踊り子さんに、面長さんと、小顔さんがいると知った時には感激いたしました!大好きなすみれ色で、これもまた青春の思い出がすべてつまった大好きな大劇場を思い出します。

ラインダンス
晴音さまお気に入りの「ラインダンスハンカチ」

——晴音さまは何事にもこだわりをお持ちで、ストイックに取り組まれるイメージです。

ありがとうございます。ストイックになれたのは、叱ってくださった先輩のおかげだと思います。「自分がどうなりたいか。お客様の心に残る、自分にしか出来ない娘役とはなにかを考えなさい」という言葉をいただきました。そこから自分の目指す像が明確になり、プライドを持って舞台に立てるようになれたのだと思います。

ずっとタカラジェンヌでいたいほど、あの空間が大好きでした。毎日が充実していて、楽しくて仕方がなかったんですよね。「いつか鐘が鳴って、卒業を決意する時がくるよ」と言われましたが、全然そんなことはなくて。一生いたいな、と思うほどでした。

充実感が高まっていくにつれて、これが自分の理想とする娘役に近付けたということなのかな、という思いがじんわりと感じるようになって。私の目指す、いちばん輝く姿で卒業したいと、退団を決意しました。もう舞台はやり切った!という気持ちが強かったのに、気付けばまた舞台に立たせていただけるだなんて、一年前は夢にも思わなかったです(笑)

すみれちゃん
晴音さまの退団前日に生まれた愛猫の「すみれ」ちゃん。

——退団後も舞台できらきらと輝いていている晴音さまを応援出来ることは、ファンとしてもこんなに嬉しいことはありません。

そう言っていただけて嬉しいです。
先日まで、「Neo Doll」というミュージカルに出演させていただいたのですが、退団後はじめての舞台でしたので、緊張しました。宝塚時代は毎日顔なじみのメンバーとお稽古するのが当たり前でしたので、はじめましての方々と一緒に舞台をつくり上げていく距離感などが分からなくて。

でも私の心配をよそに本当に家族のようなカンパニーで、たくさんの方々に支えていただき、おかげさまで「やっぱり舞台っていいな」という幸せな気持ちでいっぱいです。声優さんや、女優さんなど、様々な分野で活躍するメンバーが集まり、自分の課題に真っ直ぐと向き合って、ひとつのものを創り上げていく。全員が輝いていて、輪が広がっていくことを感じられた初舞台でした。

ネオドール
「大好きなキャストの皆、温かいスタッフの皆様、何より応援してくださりましたお客様に心から感謝の気持ちでいっぱいです」

つぎはジャズ公演が控えているのですけれど、むかしからジャズが好きで、勉強したいと思っていた矢先でしたので夢のようです。

いまはちょうどお稽古が始まっていて、真琴つばささんをはじめ、憧れの先輩方からたくさんのことを教えて頂いています。毎日、信じられないくらい幸せな、充実した日々です。1ミリでも多く自分の中に吸収できるように、必死にお稽古を頑張っています!

ずっと憧れていたみなさまとスキャットできるだなんて、未だにドキドキしていますが、みんなで奏でる和音をぜひ堪能していただけたら。宝塚のあたたかい絆に助けて頂きながら、感謝の気持ちを忘れずにこれからも新しい世界に挑戦していきたいと思っています。

——どうもありがとうございました。これからも、ますますのご活躍を陰ながら応援しております。

はるのエタニティ
つぎのステージに向かう晴音さまの笑顔がとっても素敵でした!
小物:ポケット付レーストート/エタニティ(グリーン)

プロフィール

はるのプロフィール

晴音 アキ(はるね あき)

2007年 宝塚音楽学校入学
2009年 宝塚歌劇団入団、初舞台後月組に配属され、娘役として14年間在団。

主な出演作品

2010年4 – 7月、『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』 – 新人公演 ルイ・シャルル
2012年6-9月、「ロミオとジュリエット」新人公演 乳母
2013年5月、『月雲(つきぐも)の皇子(みこ)』(バウホール) – パロ/撫子
2013年12月、『月雲(つきぐも)の皇子(みこ)』(天王洲 銀河劇場) – パロ/撫子
2014年7 – 8月『宝塚をどり』『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』 – アンジェラ『TAKARAZUKA 花詩集100!!』(博多座) エトワール
2015年4-7月「1789〜バスティーユの恋人達〜」ソレーヌ・マズリエ役
2016年6 – 9月、『NOBUNAGA〈信長〉-下天の夢-』 – あおい『Forever LOVE!!』 トリプルエトワール
2017年1 – 3月、『グランドホテル』 – 電話交換手『カルーセル輪舞曲(ロンド)』
2017年7 – 10月、『All for One』 – ラウラ
2018年7月、『愛聖女(サントダムール)-Sainte♡d’Amour-』(バウホール) – クララ・ブロン/店員
2018年8-11月「エリザベート 」リヒテンシュタイン役

はるのプロフィール2

2019年3 – 6月、『夢現無双』 – 出雲阿国『クルンテープ 天使の都』
2019年7 – 8月、『チェ・ゲバラ』(日本青年館・ドラマシティ) – レイナ
2019年10 – 12月、『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』 – エトワール
2020年2月、『赤と黒』(御園座) – デルヴィール夫人
2021年3月、『幽霊刑事(デカ)〜サヨナラする、その前に〜』(バウホール) – 漆原夏美
2021年5 – 8月、『桜嵐記(おうらんき)』 – 名子/二条師基『Dream Chaser』(おじさん役)
2021年10 – 11月、『川霧の橋』 – 小りん『Dream Chaser-新たな夢へ-』(博多座) エトワール
2022年1 – 3月、『今夜、ロマンス劇場で』 – ディアナ『FULL SWING!』
2022年5月、『ブエノスアイレスの風』(日本青年館・ドラマシティ) – フローラ
2022年10月『グレート・ギャツビー』をもって、宝塚歌劇団を卒業。
2022年12月『三ツ矢直生クリスマス演奏会』(宝塚ベガ・ホール/ホテル椿山荘) ゲスト出演
2023年2月 単独サロンコンサート『amour』(宝塚ホテル)
2023年4月 留依まきせディナーライブ『REBORN』(宝塚ホテル) ゲスト出演
2023年8月 『Neo Doll』(シアターサンモール(クリスタル役
2023年9-10月『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』出演予定
CS番組「スカイステージ」
スカイ・ナビゲーターズ 第4期生。スカイ・レポーターズ 第9期生。番組内のニュースのMCや、スターに突撃インタビューなど、レポーターを務める。