バラの季節、横浜・元町を歩く。「ガーデンネックレス横浜」とレースを楽しむ初夏の1日

花の香りに誘われて

5月の横浜は、街そのものが一輪の花のようです。
港から吹く風にバラの香りがほのかに混じり、石畳の道には木漏れ日が揺れる。山下公園の海沿いの遊歩道では、色とりどりの花々が訪れる人を迎え、港の見える丘公園では、咲き誇る薔薇が眼下の街を見守っています。

横浜の街全体を花と緑で彩る「ガーデンネックレス横浜」。その名のとおり、市内各所のスポットがネックレスのように連なり、春の訪れから初夏までを華やかにつないでくれる、横浜ならではの祝祭です。

そして花の散歩を楽しんだあと、足を運びたい場所があります。
元町ショッピングストリート。横浜の歴史と気品が息づくこの街には、110年以上にわたりレースを紡いできた老舗、近沢レース店の本店があります。

花とレース。どちらも、繊細な美しさと季節への愛情から生まれるもの。今回は、ガーデンネックレス横浜を巡り、元町で1枚のハンカチに出会う、そんな初夏の1日をご紹介します。

ガーデンネックレス横浜とは

ガーデンネックレス横浜は、横浜市が主催する春のフラワーリレーイベントです。2017年から続くこのプロジェクトは、2026年で10年目の節目を迎えました。

開催期間は3月19日から6月14日までの88日間。桜に始まり、チューリップ、そしてバラへと、まるでバトンを渡すように見頃を迎える花々を、横浜の名所とともに楽しむことができます。

会場は大きく分けて二つ。山下公園や港の見える丘公園、日本大通り、横浜公園など、横浜を象徴する港の景観を楽しめる「みなとエリア」と、よこはま動物園ズーラシアに隣接する「里山ガーデン」です。
それぞれに表情があり、街歩きのなかで自然と花に出会えるのが、このイベントの大きな魅力といえるでしょう。

2026年は来年に控えた「GREEN×EXPO 2027」の1年前企画として、例年以上にスケールアップした演出が用意されています。横浜の街そのものが、これからの1年で大きく花開いていく、その序章のような時期です。

今が見頃。横浜ローズウィークの楽しみ方

ガーデンネックレス横浜のなかでも、5月から6月初旬にかけては特別な時期。横浜市の花でもある「バラ」が見頃を迎え、5月2日から6月2日までは「横浜ローズウィーク」として、街全体がバラ一色に染まります。

数あるバラの名所のなかから、元町からのアクセスがよく、半日でゆっくり楽しめる3つのスポットをご紹介します。

港の見える丘公園「イングリッシュローズの庭」

元町から坂をのぼって徒歩約10分。横浜の街並みと港を見下ろす丘の上に広がるのが、港の見える丘公園です。なかでも「イングリッシュローズの庭」は、洋館を背景にしたバラの競演が楽しめる、まさに絵画のような場所。

訪れるなら、午前中の柔らかな光が花びらを透かす時間帯がおすすめです。一輪一輪に名前があり、品種ごとに香りや姿が異なるバラを、ゆっくりと見比べる時間は、慌ただしい日常から離れた贅沢なひとときになります。

山下公園「未来のバラ園」

港の見える丘公園から海側へと下ると、山下公園にたどり着きます。海を背景に咲く約160品種1,900株のバラは圧巻のひとことです。
潮風とバラの香りが混じり合うこの公園は、横浜らしさが凝縮された場所。氷川丸を望みながらベンチに腰掛け、しばし花と海に挟まれて過ごす時間は、何度訪れても心を満たしてくれます。

山手イタリア山庭園・アメリカ山公園

画像出典:「ガーデンネックレス横浜|山手イタリア山庭園」

時間に余裕があれば、山手の洋館エリアへも足を伸ばしてみてください。山手イタリア山庭園やアメリカ山公園もローズウィークの舞台のひとつ。
異国情緒漂う洋館と、整えられた庭園、そして咲き誇るバラの組み合わせは、まるで小さな旅をしているような気分にさせてくれます。

それぞれの公園に特徴があり、半日かけて巡れば、横浜の春の魅力を存分に味わえるでしょう。

港の見える丘から、元町へ降りる道

画像出典:「ガーデンネックレス横浜|港の見える丘公園」

バラを満喫したあと、ぜひ歩いてほしい道があります。港の見える丘公園から元町商店街へと続く坂道です。

緑のトンネルのようなアメリカ山公園の遊歩道を抜け、ゆるやかな坂を下りていくと、ふいに視界が開け、元町ショッピングストリートの石畳が目の前に広がります。

明治の開港期から続く元町は、横浜のなかでも特別な空気をまとった街。建物が並び、流れる音楽は穏やかで、行き交う人の歩調もどこかゆったりとしています。
バラの香りに包まれた散歩のあとに訪れるこの街は、1日の終わりを優雅に締めくくってくれるような、落ち着いた雰囲気を感じられます。

そんな元町に120余年以上にわたり愛されてきたのが、近沢レース店です。

花の季節に寄り添う、花モチーフのハンカチ



近沢レース店の看板商品のひとつでもあるレースのハンカチは、職人の手仕事による繊細な刺繍と、美しく、ときにユニークなデザインが、世代を超えて多くのお客さまに愛され続けています。

数あるラインナップのなかでも、この季節にぜひ手に取っていただきたいのが、花モチーフのハンカチ。

ハンカチに散りばめられた小さな花々のレースは、見た目の美しさだけでなく、デザインに込められた想いや、一目一目に込められた職人の技術も伝わってきます。
バラ、すみれ、勿忘草、季節の草花。ハンカチを開いたときに広がるレースは、まるで手のひらにそっと収まる小さな庭園のよう。

近沢レース店 元町本店では、実際に手に取ってゆっくりお選びいただけます。オンラインで商品を見るのとはまた違った、手触り、刺繍の凹凸、光の当たり方による表情の変化などもお楽しみください。
自分だけの1枚を見つける時間が、元町散歩の最後の楽しみになれば幸いです。

まとめ

ガーデンネックレス横浜で出会った季節の景色や思い出を、レースのハンカチという形で持ち帰る。それは、横浜という街と、職人の手仕事と、素敵な時間を過ごした自分への、ささやかな記念になります。
来年もまた、この季節にこの街を訪れたくなる。そんな初夏の記憶が、きっと残るはずです。

花から街へ、街から人へ、人から想いへとつながっていく。その美しい連なりのなかに、近沢レース店もまた、皆さまの思い出として在り続けたいと願っています。

ガーデンネックレス横浜2026


  • 開催期間:2026年03月19日(木)〜06月14日(日)
  • 会場:山下公園、港の見える丘公園、日本大通り、横浜公園 ほか
  • 公式サイト:https://gardennecklace.city.yokohama.lg.jp/

横浜ローズウィーク