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レースの種類

TYPE

レースというのは、広義には、「透かし模様を施した布の総称」、狭義には、「糸を撚りあわせたり、組み合わせたりした網状の透かし模様に作られた織物」を指します。種類は大きく分けると、「ニードルポイントレース」と「ボビンレース」の2つの技法があり、双方ともに16世紀に誕生したといわれています。

多くのレースの源流がこの2つの技法にたどり着きます。そのほか、漁網から発展したものや、かぎ針編みから発展したものもレースと呼ばれているなど、レースの世界は非常に奥深いのです。

  • ニードルポイントレース

    ニードルポイントレース

    ニードルポイントレースは、針(ニードル)を刺し(ポイント)てレースを作る技法で、イタリアのヴェネチアで生まれました。織られた布に装飾を施すドローンワークやカットワークなどの刺繍技法から、生地を使わず、羊皮紙に貼った下絵にそって、自由に糸をはわせてモチーフを描く、「プント・イン・アリア(空中レース)」の技法を編み出します。これが、ニードルポイントレースのはじまりである「レティチェラ」に発展しました。

  • レティチェラ・レース

    レティチェラ・レース

    16世紀から作られ始めたイタリアン・ニードルポイント・レース。“Rete”はイタリア語で“ネット”を意味し、“レティチェラ”はその指小辞。つまり、“小さなネット”という意味になります。 レティチェラ・レースはカットワークから派生。空いた空間は、ボタンホール・ステッチによる枠組みで埋められました。レティチェラの模様には、幾何学模様が用いられました。
    所蔵者:Diane Claeys

  • プント・イン・アリア

    プント・イン・アリア

    16世紀から作られ始めたイタリアン・ニードルポイント・レース。イタリア語の名前は、直訳で“空気中のステッチ”の意味。レースは布地から独立していました。 プント・イン・アリアのデザインは、初期は幾何学模様でしたが、16世紀末頃から、花柄を取り入れたデザインへと発展していきました。(画像のレース下部がプント・イン・アリアの技法です。)
    所蔵者:Diane Claeys

  • グロ・ポアン・ド・ヴェニーズ

    グロ・ポアン・ド・ヴェニーズ

    ローズポイントは、17世紀のイタリアのニ主に17世紀後半に作られたヴェネチアン・ニードルポイント・レース。Grosは、レースの中に見られる浮き出た部分を指します。17世紀より、イタリアのレースには花柄のデザインが見られるようになりました。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ポアンドアランソン

    ポアンドアランソン

    18世紀後半から20世紀初頭くらいまで作られていたレース。スカラップのところに馬の毛を巻き込んで作っているのが特徴で、当時はドレスにふんだんにあしらうように使っています。
    時代により異なりますが、生成っぽい色味で重厚感があり、冬の印象を与えます。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ポアン・ド・ローズ

    ポアン・ド・ローズ

    東洋の文化を踏襲したレース。アンシンメトリーだったり、トンボや揺れているリボンなど、ジャポニズム的なモチーフが多いのが特徴です。

    ポアン・ド・ローズは、ポアンドガーズと同じ技術で作られています。1862年ロンドン万国博覧会で紹介され、1870年以降、一般市民のために製作されるようになりました。このレースの特徴は2枚重ね(時には数枚重ね)になった花びらにあり、デザインを立体的に見せる効果があります。
    太めの糸がモチーフを縁取りしており、レースに素晴らしいレリーフが与えられ、繊細なネットとのコントラストを成しています。モチーフの間には複雑な装飾が繊細なステッチによって刺されています。

    ポアン・ド・ローズは、花を作る人、フィリングを作る人、グランド作りをする人など、パーツにごとに製作をに担当する人がいました。それぞれのパーツが完成すると、全てのパーツを組み合わせ、美しいレースへと仕上がるのです。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ポアンドガーズ

    ポアンドガーズ

    ポアンドガーズは、ベルギーで最も高価で繊細なニードルポイントレースのひとつ。 モチーフは、ボタンホールステッチで縁取りされています。
    また、最高級のポアンドガーズには、さまざまな繊細なフィリングが施されています。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ギュピールレース

    ギュピールレース

    主に機械刺繍によって作られるレースの総称をギュピールレースといいます。特殊な水に溶ける繊維の布を土台にし、機械で刺繍。その後、水洗いすることで土台部分を溶かし、刺繍部分だけがレースとして残るような作り方をしています。
    現在、近澤レース店で取り扱っているアイテムの多くが、ギュピールレースです。機械刺繍のため、あらゆる柄を作ることができます。

  • ボビンレース

    ボビンレース

    ボビンレースは、フランダース地方で、パスマントリーという組みひも状の房飾りから発展し生まれました。ボビンレースは、糸を巻きつけたボビンでピロー(枕)に取り付けられたパターンの上に作られます。複数本の経糸をトワレ(平織り)とグリエ(綾織り)の2種類の糸はこびで組んでいき、モチーフや網状の地を作っています。繊細を極めた18世紀のボビンレースは、極細の糸と数百本のボビンが使われていました。
    また、ボビンレースには1人の職人が最初から最後まで糸を加減せずにつくる「連続技法」と、複数の職人がそれぞれモチーフを作り、最後に1枚につなげていく「非連続技法」があります。

  • メッヘレン

    メッヘレン

    メッヘレンは、レースの種類にその土地の名前を付けた最初のフランダースの町でした。メッヘレン・レースは非常に繊細なボビンレースで、“クイーン・オブ・レース(レースの女王)”と呼ばれマリア・テレジアやナポレオン一世など多くのロイヤルファミリーに愛されてきました。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ヴァランシエンヌ

    ヴァランシエンヌ

    ヴァランシエンヌレースは、連続ボビンレースです。フランス革命後、ヴァランシエンヌレースのほとんどのレースメーカーたちがベルギーへ移り住み、都市部、郊外、修道院などで製作を続けました。
    ブルージュはヴァランシエンヌレースの輸出で有名でした。
    所蔵者:Diane Claeys

  • ホニトン

    ホニトン

    ヴァランシエンヌレースは、連続ボビンレースです。フランス革命後、ヴァランシエ17世紀以降作られた、イギリスの不連続糸技法ボビンレース。
    ホニトンとは、デヴォンシャー州にある町の名前。エリザベス女王時代にフランダースからの移民に伝えられたレース作りで知られる、重要なレース取引の町となります。
    ホニトン・レースの有名なエピソードとして、19世紀、ヴィクトリア女王が婚礼の際、ホニトン・レースをふんだんに使用したベールとドレスを身につけたことで有名になりました。当時のホニトン・レースのモチーフは、ギンプで縁取りされていたのが特徴です。
    所蔵者:Diane Claeys

  • リバーレース

    リバーレース

    1813年、イギリスのジョン・リバーが発明した「リバーレース機」で製造されたレースです。細かく多数の糸を用いながら、複雑で繊細な模様をより上げていく、機械レースの中でも美術性の高い最高級のレースといわれています。

  • トーションレース

    トーションレース

    最もプリミティーなボビンレース。手編みのものもあるが、総称すると機械で作ったものを指します。ほとんどがテープ状のもので作られています。ボビンレースを製作する際、最初にトーションレースを習ったといわれています。